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近代日本と軍部~1868-1945~(講談社現代新書 2564)
小林 道彦
著
発行年月 |
2020年02月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
546p |
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大きさ |
18cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/政治学/政治学一般 |
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ISBN |
9784065187449 |
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商品コード |
1031398318 |
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NDC分類 |
312.1 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2020年03月3週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1031398318 |
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著者紹介
小林 道彦(著者):小林道彦(こばやし みちひこ)
1956年生まれ。中央大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(法学、京都大学)。現在、北九州大学基盤教育センター教授。 専門は日本政治外交史。『政党内閣の崩壊と満州事変』(ミネルヴァ書房)で平成21年度吉田茂賞受賞。著書としてそのほかに『桂太郎』、『児玉源太郎』(ともにミネルヴァ書房)、『大正政変』(千倉書房 )がある。
内容
「近代理性の象徴」のはずであった組織はなぜ暴走したのか? 明治維新から太平洋戦争敗戦による崩壊まで、一人で描ききった超力作!
戦前日本の歴史とはある意味において、相次ぐ戦争の歴史でした。といって、日本が明治維新以来一貫して軍国主義路線を取っていたわけではありません。しかし結果として、後世の目から見るとそうみなさざるを得ないような「事実」の積み重なりがあることも、やはり否定することはできないでしょう。
では、このような「意図」と「結果」との大きな乖離は一体なぜ起こったのでしょうか。
明治憲法体制とは、極論すれば大急ぎで近代国家の体裁だけをこしらえた、「仮普請」にすぎませんでした。そのことは伊藤博文をはじめとする元勲たちもよくわきまえており、伊藤などは折を見て、より現状に即した形での憲法改正にも取り組むつもりでした。
著者によれば、明治憲法体制の改正が唯一可能だったのは、その起草者である伊藤が憲法改革に取り組もうとし、また軍部自体もその必要性を認めていた日清戦争後の時期しかなかったということです。しかし日露戦争での奇跡的な勝利により、この改革への機運は急速にしぼんでしまいました。またその後、桂太郎、児玉源太郎、宇垣一成、永田鉄山といった近代軍の「国家理性」を体現したリーダーたちがあるいは早世し、あるいは失脚し、暗殺されるという不運もありました。そしてついには軍が政治を呑み込み「国家」自体となるまでにいたります。東条英機が首相のまま複数の大臣を兼任し、さらには陸軍相、参謀総長を兼任するまでに至ったことは、まさにその象徴と言うことができるでしょう。
「仮普請」でしかなかったはずの明治憲法体制が、政治リーダーの世代交代を重ねるに従って「デフォルト」となり、次第に硬直化してゆく。当初、政治の軍事への介入を阻止するために設定されたはずの「統帥権」が逆に軍が政治をコントロールする道具になってしまったことなどは、それを象徴する事例でしょう。組織としての宿命とはいえ、改革の機を逸した代償はあまりにも大きかったとやはり言わざるを得ません。
本書では、歴史を後付けではなく、極力「リアルタイム」で見ることを目指し、近代日本最大のパラドクスである「軍部」の存在の謎に迫ります。