出版社内容情報
19世紀のアジアは、各地の伝統社会の成熟を基にしつつ、どのような歴史的経験をしたのだろうか。広大なアジアを舞台に欧米の進出も取り込みながら展開していった政治的・経済的・社会的ダイナミズムを追うとともに、ジェンダーや宗教、法制度や軍事技術といった新鮮な切り口も加えて、日本を含む近代アジアの動態を捉える。
内容説明
大きなうねりの中にあった一九世紀のアジア。政治・経済・社会の変動を丁寧に追いつつ、宗教やジェンダー、法制・軍事技術などの視点も交えながら、アジアが経験した歴史に鋭く迫る。日本を含めた近代アジアの動態を捉える大胆な試み。
目次
展望(一九世紀アジアの動態と変容)
問題群(オスマン帝国の諸改革;一九世紀インドにおける植民地支配―司法と教育;朝鮮の経済と社会変動―財政と市場、商人に注目して)
焦点(変容する「アラブ社会」;イランの一九世紀;ロシアと中央アジア;一九世紀の清・チベット関係―境界地域の視点から;近代シャムにおける王権と社会;清朝の開港の歴史的位相;日本経済発展の始動)
著者等紹介
吉澤誠一郎[ヨシザワセイイチロウ]
1968年生。東京大学大学院人文社会系研究科教授。中国近代史
林佳世子[ハヤシカヨコ]
1958年生。東京外国語大学学長。西アジア社会史・オスマン朝史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かんがく
11
展望だけちゃんと読んで、残りは流し読み。オスマン、清、インド、イラン、中央アジア、チベット、アラブ、シャム、日本、朝鮮などのアジア各地における近代化の進行が個別的に書かれていて羅列感はあった。まあこの構成が「アジアは一つ」とは言えないよといつメッセージなのかもしれない。2024/03/04
ポルターガイスト
1
展望・問題群・焦点という構成は「国民国家と帝国」みたいなテーマの軸が明確に設定されている巻ではなじみやすいが,本巻のようにシンプルな時間・地域区切りだと断片的な感じが増す。授業でも注意すべき点だろう。2024/04/14